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2008年8月18日 (月)

ヒスタミン

 釣上げた鯖を持参するとアレルギーで食べられないと言う人が多い。症状としては、食後間もなく発疹や吐き気・腹痛・下痢などで、大半は1日で回復に向かう。そして口に入れた時に舌に刺すような刺激があるのも特徴の一つだ。
 この手のアレルギーは、主に腸内細菌であるヒスタミン産生菌の食中毒にあたる。ほとんどは魚、特にマグロ・イワシ・サンマなどの血合いの多い青物の体内に多く存在するアミノ酸のヒスチジンが、ヒスタミン産生菌が持つヒスチジン脱炭酸酵素で分解されて生成されるヒスタミンで起こる。この菌が温度管理が不十分な場所で増殖し、腐敗臭がする前に大量のヒスタミンを産生することがある。中には好塩性のヒスタミン産生菌があり、釣上げる前から海中で付着している場合もある。
 魚の代謝を考えると海釣りでの餌は動物性の物がほとんどであることから体内には蛋白質と脂肪の消化酵素が多く存在すると思われる。特に鯖は水分が多いために身が柔らかく死後硬直から体内酵素による自己消化までが早く起きてしまう。ヒスタミンは河豚や茸の毒のように熱に強く、調理をする前に臭いや外見から傷みが判断しずらく、加熱をして生産菌自体が死滅したとしても原因物質は分解をしていないので、注意が必要で加熱だけで安心は出来ない。
 私は、そのような人には「試しに食べてみれば」とは決して言わないが、話を聞いてみると、コールドチェーン導入以前が大半だった。導入以前は、冷蔵・冷凍域の温度での運搬ではなく、保冷が一般的で末端では表面が解凍された物を再び冷凍していたので、冷凍食品の評判は良くなかった。
 この食中毒はアレルギーの症状に似ているために、本人が鯖に対するアレルギーだと思っていることが多い。自分がアレルギー体質で鯖自身が初めから持っている蛋白質が原因ならば抗体検査をすれば、はっきりする。しかし検査が陰性でも一度でもその体験をすると、以後その食材を美味しく食べることが出来なくなってしまう。
 今は亡き「ばぁー様」が私が東京で一人暮らしをする際に「生水と黄色くなった米と熱くても舌にピリッした魚は食べてはダメだよ。」と言っていたことを思うと、日本人は冷蔵技術のない時代には、ヒスタミン産生菌による食中毒が非常に多かったに違いない。

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