平水区と5海里
1980年に4級を取得した時は、ねずみ色の往復葉書き位の大きさで書替えもなく「一生物だから大事にするように」と言われて免許を授かった。
船舶は、航行できる地球上の水域を遠洋・近海・沿海・平水の4つに区別し、船舶・海技免許や船舶本体の大きさ・装備等で航行できる範囲が決められている。ちなみに愛艇「燕」は、大まかに言えば、西は天竜川から東は東伊豆の城ヶ崎までとなっている。よって免許上では可能でも、現在の「燕」の能力では、日本を1週することは出来ない。そして、小型4級(現2級)では、平水と沿海の5海里と決められている。5海里、約9Kmがどのようなものか、当時はGPSがなかったので、正確な位置を掴むことは出来ず、海水面から約5.5mの高さから水平線までの距離とされていた。要するに常に沖の自船から浜辺が見えていなくてはならず、有視界航行の免許なのだ。計算式では、2.1*√H(メートル)・目線の高さ=水平線(マイル・海里)になる。当時の駿河湾では、現在のような平水区がなく対岸に行きたくても三保から最短の戸田灯台まで11海里で直線で行くことが出来ず、結局、迂回をして清水港から富士の煙突群を目指し、富士川を過ぎた辺りで大瀬埼に変進して大瀬経由で西伊豆まで行くしかなかった。波の上下に加えて、座って視た場合と船縁に立って視るのでは、半海里は外れてしまう。実際、1級取得者に伺うと「真ん中付近は目測では、はっきりしない」と良く聞かされた。
現在では、清水灯台から戸田灯台までが平水区域に拡大されたために、鋭角で中央付近は、水深2000mを軽く超える駿河湾では、1個所を除けば、2級免許があれば深海釣りまで楽しめる。しかし、その1箇所が「石花海(せのうみ)」なのだ。
「石花海(せのうみ)」は、三保から南進20海里・相良港から東進15海里付近で、北緯34度35分~45分・東経138度25分~35分のエリアに南堆(合の瀬)・北堆の2つの堆からなる1級の小型船舶免許が必須の1級ポイントで、私の駿河湾内での最終目標ポイントでもある。
※参照 日本小型船舶検査機構 http://www.jci.go.jp/inquire/pdf/koukoukuiki.pdf
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