食中毒
釣り人は、釣りを楽しむ。そして、もう一つの楽しみとして釣りたての新鮮な魚を食すことは、釣り人の役得だ。しかし夏の炎天下で釣上げた魚が死んでしまった時からカウントダウンが始まる。
食べ物に人間にとって害をなす細菌が付着していたり、毒物が含まれている物を摂取することが原因で、腹痛・下痢・嘔吐そして発熱などが表れ中毒を起こす。重症化すれば、脱水症状から神経障害により麻痺が起こり死に至る場合があるので油断禁物だ。真夏には各地方で基準は違うが概ね気温30℃以上が続きその後も続く可能性がある場合に2日間の食中毒警報が出される。何故に人間の体温は35℃以上あるのか、それは酵素の活性に由来する。食中毒を起こす微生物も人と同じ温度で生活をしているので活性化して、平均30分ごとに分裂を繰り返して、どんどん数を増やしていく。
日本の食中毒菌界では、腸炎ビブリオが、長年にわたって王座に着いていたが、最近サルモネラやカンピロバクターに奪われた。食材については、魚介類が肉類に変わったことになる。そして飽食の時代になり海外から様々な食材が大量に輸入されている、その中には日本で症例の無い菌類・残留農薬・添加物・有機毒物などの有害な物が含まれている可能性がある。その中で運良く検閲を逃れ自分たちの食卓に登り害をなす者が現れるかも知れない。
衛生管理のプログラム化やコールドチェーンの確立と技術の進歩により、冷凍・冷蔵庫の性能が良くなって来ている為に、机上の上での安全は、高度なところにあるのだが万全ではない。そして未だに食中毒事故は減らずに日本中を騒がす事件にまでなり、大手メーカーの牛乳ブランド名が姿を消した。上質な管理システムや設備があっても、それを実行する人間に問題がある。高次元の障害ではなくて停電によりシステムが停止して菌が増加したなど信じがたいことを起こす。
食中毒には、防止の「3ない」原則ある。1.付けない(手や調理器具の洗浄・二次感染を防ぐ)。2.増やさない(温度管理)。3.生かさない(殺菌)。
何十年も前から呪文のように言われ続けて、「耳だこ」ものだが、従来の黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオ・サルモネラとは対処方法も性質も違う新たな菌が現れている。そして高度な衛生管理を行う現代は、足元が見えずに低次元の些細な事で、つまづく事がある。そのような時にこそ、今一度、原点である三原則の必要性を感じる。
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