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2007年3月19日 (月)

船長と船頭さん

親父は月に一度はカセ釣りをしていた。
 気が向くと沖にも出ていたが乗り合いは性に合わず清水港からは何時も仕立ていた。それでも釣り新聞を見ていて清水以外の場所に行く時はまず乗り合いを使った。当時は良い座を得るには常連になるまで通いつめるか、手っ取り早く船長の機嫌を取って気に入られるようにする。船長も御山の大将気分でそれで良しとしていたので親父は、釣果は期待しなく沖合いの調子を見ることと地元の仕掛けやつり方を知るために利用していた。そして沖と相性和えば今度は本格的に仕立てて沖に出る。
 仕立て舟の船頭さんは初老の方が多く、魚探などに頼らず自分の経験だけで我々を導いてくれる。そして、乗り合い船は沖の釣り場に連れて行ってくれるが一本釣りの漁師さんの仕立て舟は仕事場に連れて行ってくれる。
 私が釣れなくてポイントを変えて欲しいなと思っていても船頭さんが次々釣上げると、場所が悪いのでなく自分の腕が悪いので何も言えなくなる。そして圧倒的な技術の差を思い知らされる。かと思えば釣り場に着いて一回落としただけで移動してしまう、これも長年の経験から豊富にポイントを持っている証拠だ。
 釣り場に着くと親父の場合は何か船頭さんと真剣勝負をしているように見えた。船頭さんは釣りの指南はしないが10代だった私は船頭さんの直ぐ横に座り何から何までシンクロさせるように真似をして釣りをしていたが別に邪魔だと言う顔もせずに時には私の仕種を待っていてくれた。腕の良い職人は、口下手で社交的でない人が多い。私の周りにはそのような人ばかりだったので、無口な船頭さんに違和感が無かった。
 親父曰く「常連になるまで何度も通う金額を考えるなら仕立てる方が気分も良いし必ず釣らせてくれる」と何時も言っていた。確かに仕立てでボウズで沖上がりした時はめったに無いが船頭さんが一生懸命に自分の知る限りのポイントに船を持って行ってくれるので不満はなかった。それに親父の頼む船頭さんは何時も自身が釣上げた魚を「土産」にと持たせてくれた。親父は乗り合い船は船長、仕立ての一本釣りの漁船は船頭さんと呼んで区別をしていた。

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