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2007年3月 4日 (日)

(黒)はんぺんと白ハンペン

 東京での学生時代、先輩に連れられて飲み屋さんに行った時にカウンター越しのおでん鍋を見て驚いた、まず第一に串に刺さっていないその後、汁が澄んでいて具がみえる・粉がない・味噌がない、極めつけは「はんぺん」が無く、白ハンペンが浮いている。静岡中部では歯ごたえの無い白ハンペンは赤ん坊と病人の食べ物という位置づけがなされていた。今でもスーパーで年配の店員さんに「はんぺんは何処ですか」と聞けば迷わず黒はんぺんの場所を教えてくれるはずで、世間で言う「はんぺん」は白をつけなければ通じない。
 家康が食べたと言われる「はんぺん」の長い歴史の中で、揚げ物として天麩羅ではなくフライにできたことは和食だけに止まらず洋食にまで及ぶ食材になったことは革命的な出来事で、昭和時代には惣菜フライの定番だった。原料が鰯や鯖で安価と言うこともあり庶民レベルで伝えられて来たこともあり食材として静岡の食物史の一旦を担っていることは間違いない。年配者に「はんぺん」と聞けば、まず「おでん」と「フライ」と答えるだろう。三世代に経って静岡中部に住み暮らしている人間に、白ハンペンの食べ方及び具材としての料理を挙げさせても5つは出てこないと思う。その様な訳で日常において白ハンペンの料理が食卓に上がることはまずない。
 その時は、それでもまだ私は東京だけが上品な白ハンペンを食べているものだと思っていたが、後にそれが全く逆で全国的にハンペンは「白」で自分が今まで食べていたものは「焼津黒はんぺん」だと分かった時はガックリと落胆してしまった。それほど静岡食文化の中に深く携わっている。

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