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2007年1月30日 (火)

投網

 店のテレビ脇に全優勝者の房から自分の名前を前に出し、誇らしげに大会の優勝旗が飾られていたことを良く覚えている。 
 天候が良くない日には、親父はよく投網を編んでいた。竹で作った1寸のスケールを使って一目一目編んで行く,私が「網目をもっと小さくすれば鱚とか細長い魚が取れるのに」と聞くと父が「高速で泳ぐ魚を捕らえるのには網を大きく開かせる必要があるので網目を大きくしないといけない」と言っていた。
 投網は河口でをすることが多かった。浜辺に腰を下ろして波を見続けていると砕ける寸前の波が透けて見えるその中に縦に数本の鯔の影が見えるしばらくするとその中に黒く大きな影が横に走ると鯔の影が散るその様子が見えると,父は「よ~し」と言って投網の仕度をする,その横に走る影は鱸で親父は何時もそれを狙って網を打っていた。不思議なことに投網と書くのに網を投げるとは言わずに地元の仲間内では撃つと言っていたように思える。ほとんどが鯔だが時折,鱸が捕れるその中でも稀にメーターを越える物もある。
私も高校の時に浜で投網を撃つ練習をした。なかなか丸く開くことが出来ないでいると,最古参の投網仲間・・その当時の私にはお爺さんに見えたがその人が「投網は打つんじゃなく撃つんだ,捕りたい魚が3尺あれば3尺開けば良い,5尺あれば5尺開ければ十分だ。大事なことは,大きく丸く開くのではなく狙った獲物に網を掛けることだ。」と言った。その時は「当たり前ジャン」と思ったが今この歳になると,その人の言葉が,ある領域に達しなければ出ない言葉だと分かる。

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